毎日のおやつ、気にしていますか?
子どもにとって、おやつは楽しみの時間。そして、成長期に必要な栄養を補う大切な役割も果たしています。
しかし、その一方で「甘いおやつ=虫歯のもと」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
実は、おやつの選び方ひとつで、虫歯になりにくい食生活に大きく差がつきます。
この記事では、歯科医の視点から見た「虫歯になりにくいおやつベスト5」と、逆に気をつけたいおやつの特徴、選び方のポイントをわかりやすく解説します。
なぜおやつが虫歯の原因になるのか?
虫歯の主な原因は、「糖を含む食べ物」と「それが口の中に長く残る時間」です。
糖をエサにして、ミュータンス菌などの虫歯菌が酸を作り出し、それが歯の表面(エナメル質)を溶かして虫歯ができます。
とくに注意が必要なのが以下の2点です。
- 糖分が多いおやつ(飴・キャラメル・ガムなど)
- だらだらと長時間食べ続ける習慣
これを踏まえたうえで、虫歯になりにくいおやつを選ぶコツが見えてきます。
虫歯になりやすいおやつ vs なりにくいおやつ

おやつのタイプ | 虫歯リスク | 理由 |
飴・キャラメル | 高 | 長時間口に残る+砂糖たっぷり |
クッキー・ケーキ | 中~高 | 砂糖+小麦粉で歯にくっつきやすい |
チョコレート | 中 | 砂糖は多いが、すぐ溶けるものは比較的短時間 |
せんべい・クラッカー | 中 | 甘くなくてもでんぷんが糖に変わる |
果物 | 低~中 | 糖分はあるがビタミン・水分多め。口に残りにくい |
チーズ・ナッツ | 低 | 糖が少なく、唾液の分泌を促す効果あり |
甘さだけでなく、「口にどれだけ残るか」「唾液を出すか」が重要な判断基準になります。
虫歯になりにくいおやつベスト5

ここからは、虫歯予防の観点からおすすめできるおやつを、理由とともにランキング形式でご紹介します。
第1位 チーズ
チーズは糖分ゼロで、カルシウムが豊富。
さらに、口の中をアルカリ性にして酸を中和する効果があり、再石灰化(歯の修復)を助けるという優秀な食品です。
プロセスチーズでも良いですが、ナチュラルチーズ(カマンベールやチェダー)のほうがより自然な成分でおすすめです。
第2位 ナッツ類(アーモンド・くるみ など)
ナッツは栄養価が高く、糖質が非常に少ない食品です。
よく噛むことで唾液がしっかり分泌され、口内の自浄作用を高めてくれます。
ただし、小さなお子さんには窒息のリスクがあるため、年齢と咀嚼力に応じて与えることが重要です。
第3位 無糖ヨーグルト
ヨーグルトはカルシウム・タンパク質が豊富で、善玉菌が口腔内の菌バランスを整える効果も期待できます。
砂糖入りのものは避け、「プレーンヨーグルト」に果物やキシリトール入りジャムを加えるとおいしくなります。
第4位 りんご・キウイなどの果物
果物にも果糖(天然の糖分)は含まれていますが、ビタミン・水分・食物繊維が豊富で、総合的には虫歯リスクは低め。
特に、りんごのように歯ごたえがある果物は、噛むことで唾液がたっぷり出るため、虫歯予防に効果的です。
ただし、バナナや干しぶどうのようにねっとりして歯にくっつきやすい果物は、食べた後に水を飲む・歯磨きをするなどのケアを心がけましょう。
第5位 干し芋・焼き芋(砂糖不使用)
甘みがあるのに砂糖を加えていない干し芋は、自然な甘さで満足感がありながら虫歯リスクが低い食品。
繊維が豊富で噛みごたえもあるため、よく噛む習慣も身につきます。
市販の砂糖入り芋けんぴとは別物なので、「砂糖不使用」の表示を確認して選びましょう。
避けたい食べ方・見直したい習慣

どんなおやつでも、食べ方やタイミングを間違えると虫歯リスクは上がってしまいます。以下のような習慣には注意が必要です。
NG習慣 | 理由 |
だらだら食べ | 唾液が酸を中和する時間がなくなり、歯が溶けやすくなる |
寝る前のおやつ | 寝ている間は唾液が減るため、虫歯菌が活性化 |
甘い飲み物との組み合わせ | 清涼飲料水や乳酸菌飲料は糖分が多く、酸性が強い |
食後すぐの歯みがき忘れ | 糖分が歯に残る時間が長くなる |
「何を食べるか」だけでなく、「どう食べるか」「食後のケア」が歯を守る鍵になります。
歯医者さんがすすめるおやつルール3選
- おやつは時間を決めて食べる(1日1〜2回)
→食べる回数が少ないほど、唾液の回復タイミングが確保できます。 - 甘いものを食べたら、必ず水やお茶を飲む
→口の中に糖分を残さないように流しましょう。 - 毎日のフッ素入り歯みがきと定期健診を習慣に
→虫歯は予防できる時代。おやつを我慢するより“守る習慣”が大切です。
まとめ

- 虫歯になりにくいおやつは、「糖が少ない」「口に残らない」「唾液が出やすい」もの
- チーズ・ナッツ・無糖ヨーグルト・果物・干し芋などがベスト5
- だらだら食べ、寝る前の甘いものは避けて
- 食べた後は口をすすぐか歯みがきをする習慣をつける
- 食材だけでなく、“食べ方とタイミング”が虫歯予防の鍵
子どもの笑顔と健康な歯を守るために、おやつは敵ではなく、正しく付き合うためのパートナーです。今日からぜひ、おやつ選びを見直してみてください。