「デスクワークで慢性的な肩こりがつらい」「整体に行っても一時的にしかよくならない」——そんな悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。
実はその肩こり、原因は“歯並び”や“噛み合わせ”にあるかもしれません。
本記事では、歯の噛み合わせと体のゆがみ、特に肩こりとの関係に焦点を当て、最新の研究と専門的な知見をもとに、美容と健康の交差点としての“歯”の役割について解説します。
目次
肩こりと歯の関係、意外なつながりとは?

肩こりは、筋肉の緊張や血行不良によって起こりますが、近年注目されているのが「噛み合わせのズレ」が引き起こす顎から首・肩への筋肉連動の不調です。
噛み合わせのズレが起こす筋肉の連鎖反応
噛み合わせがずれていると、無意識のうちに
- 顎を横にずらして噛む
- 顔の左右どちらかに力が偏る といった状態になります。これにより、咬筋や側頭筋、首の胸鎖乳突筋、肩の僧帽筋まで緊張が広がり、慢性的な肩こりへとつながるのです。
顎と肩のつながり:筋肉マップ
起点筋肉(顎・顔まわり) | 関連筋肉(肩・背中) |
咬筋(こうきん) | 僧帽筋(そうぼうきん) |
側頭筋(そくとうきん) | 肩甲挙筋(けんこうきょきん) |
顎二腹筋(がくにふくきん) | 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん) |
歯科医が注目する「全身とのつながり」

肩こりと噛み合わせの関連性について、現在も多くの研究が進められていますが、医療現場では「口腔と全身の健康は密接につながっている」と考えられています。
例えば、咬合異常があると体の重心バランスに影響を与えることが、姿勢評価システムなどによって確認されてきました。顎関節や咀嚼筋の使い方のクセが肩や首の緊張に波及することもあり、歯科からのアプローチが注目されているのです。
ただし、肩こりのすべてが歯に起因しているわけではなく、あくまで多因子的な症状の一部として噛み合わせも考慮する価値があるというのが現時点での医療的スタンスです。
噛み合わせの乱れをチェックするポイント

自分でできる簡易チェック
- 食事中に左右どちらかでしか噛んでいない
- 前歯で噛みちぎりづらい
- 顎が開けにくい/音が鳴る
- 朝起きたときに顎が疲れている
- 肩こりが片側だけに出やすい
2つ以上当てはまる場合、咬合不良(かみ合わせの問題)があるかもしれません。
専門チェックでわかること
- 咬合検査(咬合紙やデジタル咬合診断)
- 顎関節の運動測定(MRIやCT)
- 頭位や姿勢の測定(姿勢評価システム)
これらにより、口腔内だけでなく全身のバランスから原因を特定することが可能です。
美容の観点から見た“噛み合わせの力”

噛み合わせが整うと、健康面だけでなく顔の印象にも大きく影響します。
噛み合わせが整うと起こる変化
機能面 | 美容面 |
肩こり・頭痛の軽減 | フェイスラインがすっきりする |
顎関節症の予防 | 顔の左右非対称が改善される |
睡眠の質向上 | たるみやほうれい線が目立ちにくくなる |
つまり、噛み合わせの調整は“顔の印象改善”にもつながる審美治療の一部と捉えることができます。
どんな治療で改善できる?

噛み合わせの調整や歯並びの改善によって、肩こりの緩和が期待できます。主な治療方法は以下のとおりです。
歯列矯正(マウスピース・ワイヤー)
- 歯並びを根本から整え、咬合バランスを改善
咬合調整
- 既存の詰め物や被せ物の高さ・形を調整し、力のバランスを見直す
スプリント療法(ナイトガード)
- 就寝時の食いしばりや歯ぎしりから顎を保護し、筋肉の負担を軽減
肩こりに悩む方へ、歯科医院での相談も一つの手段

「肩こりで歯医者?」と疑問に思われるかもしれませんが、噛み合わせの乱れが原因であれば、歯科からのアプローチが効果的な場合もあります。
相談する際のポイント
- 肩こりの経緯と日常習慣を伝える(片側だけが凝る、朝の顎の疲れなど)
- 歯の治療歴や矯正歴、顎の違和感を伝える
- 咬合や姿勢評価を実施してくれる歯科医院を選ぶ
まとめ:美しさも健康も、“歯”がカギを握る時代へ

歯を整えるという行為は、単に見た目の問題だけではありません。体のバランスや筋肉の連動にまで影響を及ぼす、全身に関わる健康施策なのです。
- 噛み合わせの乱れは肩こりや頭痛の原因に
- 歯の治療や矯正で、体全体の負担が軽減される可能性がある
- 美容歯科の観点からも、噛み合わせはフェイスラインや印象を左右する
肩こりが慢性化している方、歯並びや噛み合わせが気になる方は、ぜひ一度“歯からのアプローチ”を考えてみてはいかがでしょうか?
美しさと健康が交差するその場所に、“噛み合わせ”の力があります。