歯並びを整えたいけれど、「矯正装置が目立つのは抵抗がある」と感じていませんか?実は、歯の表側ではなく、裏側に装置を装着する矯正法(リンガル矯正)なら、見た目を気にせず歯並びを改善することが可能です。
近年、矯正技術の進歩により、裏側矯正の装置も薄型・小型化が進み、口内炎などのトラブルが軽減されるなど、メリットが増えています。さらに、裏側矯正は一般的なワイヤー矯正と同等の治療効果が得られると報告されています。
そこで今回の記事では、裏側矯正の特徴やメリット・デメリット、痛みの有無、さらに治療中に堂々と笑うためのコツをわかりやすく解説します。
なぜ裏側矯正?目立ちにくい治療で笑顔をキープ

裏側矯正(リンガル矯正)とは?
裏側矯正は、歯の裏面(舌側)にブラケットとワイヤーを装着し、歯を少しずつ動かしていく治療法です。表側からは矯正装置がほとんど見えないため、「矯正中も自然な笑顔でいたい」「接客業や人前で話す機会が多い」という方に人気が高まっています。
目立たないだけじゃない?実はメリットいろいろ
- 審美性:正面から装置が見えにくく、矯正していると気づかれにくい
- 正しい舌の位置を覚えやすい:舌側に装置があることで、舌の動きが意識しやすくなり、飲み込み方の改善につながる可能性も
- 表面のエナメル質が保護される:ブラケットが表面に接していないため、エナメル質の摩耗や着色リスクが少ない
裏側矯正の治療プロセスと期間

治療の流れ
- カウンセリング・検査
レントゲンやCTスキャン、口腔内写真などで歯並びや骨格の状態を詳しくチェック。治療方針や期間、費用などを歯科医師と相談します。 - ブラケットの作製
歯型(または3Dスキャン)をもとに、裏側に装着する特殊なブラケットをオーダーメイドで作製。通常の表側矯正よりも精密な工程が必要となります。 - 装置の装着
歯科医師が歯の裏側にブラケットを接着し、ワイヤーを装着します。この際、歯面に合わせてセッティングが行われるため、若干時間がかかることもあります。 - 定期調整
月1回程度のペースで来院し、ワイヤーの調整やクリーニングを行います。装置が安定してくると、2〜3か月おきの来院になる場合も。 - 保定期間
目標の歯並びになったらブラケットを外し、歯が元の位置に戻らないよう「リテーナー」で保定する期間を過ごします。
治療期間の目安
歯並びの状態によって異なりますが、1年半〜3年程度が一般的。場合によっては表側矯正よりもやや長めになることもあります。しかし、デジタル技術を活用することで装着精度が高まり、治療期間が表側矯正とほぼ同等という症例も増えています。
痛みや違和感はどうなの?表側矯正との違い
痛みの感じ方は個人差が大きい
矯正は、装置を付けて歯を動かすため、ある程度の痛みや違和感は避けられません。
- 歯が動く痛み:調整直後に鈍い痛みを感じることが多いが、2〜3日で落ち着く場合が多い
- 舌への刺激:裏側に器具があるので、発音や食事中に舌が当たって痛みや口内炎が起こる可能性
近年では、セルフライゲーションブラケットや超弾性ワイヤーなど、「弱い力を長時間かける」装置が普及し、痛みの軽減が進んでいます。また、デジタルスキャンで装置を精密に作ることで、舌への干渉を最小限にする試みも行われています。
違和感を減らすコツ
- 矯正用のワックスを使う
ブラケットやワイヤーが当たる部分にワックスを貼ると、金属による刺激を緩和できる。 - 慣れるまでは柔らかい食べ物
調整直後や装置を付け始めたばかりの時期は、スープやヨーグルト、煮物など噛まずに済む食事を選ぶ。 - 適切な口腔ケア
器具に食べかすが溜まると口内炎のリスクが高まる。フロスや歯間ブラシで丁寧に清掃する。
費用やメンテナンスも要チェック!デメリットへの対策

費用が高めになりやすい
裏側矯正は、表側矯正に比べて製作や装着に高い技術が必要であることから、費用がやや高くなることが多いです。日本矯正歯科学会の統計でも、表側矯正の平均が60〜90万円前後に対して、裏側矯正は80〜120万円程度が相場と言われています。
クリニックによっては分割払いやクレジット払いに対応している場合もあるため、無理のない支払い方法を検討しましょう。
お手入れ(ブラッシング)が難しい
舌側は歯ブラシが届きにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなりがち。
- 専用の歯ブラシやフロスを活用
- 歯科衛生士による定期的なクリーニングを受ける
- クリニックから指導を受けたブラッシング方法を忠実に続ける
矯正中も堂々と笑うためのヒント

発音や喋りにくさへの対策
裏側矯正は舌の動きに干渉するため、一時的に発音しづらくなる場合がありますが、多くの場合2〜3週間ほどで慣れてきます。
- 発音練習のために大きな声で朗読や歌うことも効果的
- ゆっくりはっきり話すことを意識し、舌の位置を確認
スマイルトレーニング
装置が気になって口元を手で隠してしまう方も多いのですが、矯正中の見た目は思っているほど他人に注目されないものです。
- 鏡を見ながら口角を上げる練習をし、自然な笑顔を作る
- 周囲の反応を気にしすぎず、堂々と振る舞うことで自信を取り戻す
ケアアイテムを持ち歩く
矯正中は食事の後に素早く歯を磨きたいもの。
- 携帯用歯ブラシセット
- フロスや歯間ブラシ
- 小さな鏡
- 矯正用ワックス
これらをバッグに常備しておけば、外出先でも清潔な状態を保ちやすく、矯正ライフを楽しめます。
歯科医院選びのポイント:裏側矯正で失敗しないために
- 経験豊富な医師を選ぶ
裏側矯正は高度な技術を要するため、裏側矯正の症例数が多い医院が安心です。 - 3Dスキャナーやデジタル技術の導入
精度の高い装置製作が期待でき、痛みや違和感を最小限に抑えられる可能性が高いです。 - カウンセリングの充実
見え方や費用、治療期間などを丁寧に説明してもらえるかどうか、口コミや問い合わせで確認しましょう。
まとめ:裏側矯正で“見えない”美しさを手に入れよう

矯正治療の進歩により、裏側矯正(リンガル矯正)は「矯正中も美しく笑いたい」と願う人の大きな味方になっています。
- 目立たずに歯を動かせる
- 舌の動きを意識でき、正しい発音や舌位を身につけやすい
- 表面のエナメル質が傷つきにくい
デメリットとしては費用がやや高い、ブラッシングが難しい、慣れるまで発音にやや支障が出るなどがありますが、適切なケアと医院選びで十分カバーが可能です。
矯正中でも堂々と笑顔をキープし、周囲の目を気にすることなく過ごせる裏側矯正。もし矯正を考えているなら、ぜひ一度カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。思いきり笑っても装置が見えず、自信を持って日々を過ごせる新しい世界が待っています。