噛み合わせ治療で睡眠の質が上がる?その理由とは

噛み合わせ治療で睡眠の質が上がる?その理由とは

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「よく寝ているはずなのに疲れが取れない」
「朝起きると顎が痛い・頭が重い」
「夜中に何度も目が覚める」

こうした悩みを抱える人の中には、原因が“噛み合わせ”にあるケースが少なくありません。

実は、噛み合わせと睡眠の質には深い関係があり、
噛み合わせを整えることで眠りが改善したという事例も多く報告されています。

今回は、噛み合わせ治療と睡眠の関係を、医学的な視点でわかりやすく解説します。


噛み合わせと睡眠がつながっている理由

噛み合わせは、単に「食べる動作」のためだけにあるものではありません。
顎の位置や筋肉の緊張、呼吸、姿勢など、睡眠に直結する要素を多くコントロールしています。

噛み合わせが悪いと、次のような影響が出ます。

  • 顎関節や筋肉が緊張しやすい
  • 首や肩の筋肉が硬くなる
  • 就寝中の食いしばりが強くなる
  • 舌の位置が下がり、気道が狭くなる
  • 呼吸が浅くなる

これらの要因が積み重なることで、睡眠の質が大きく低下します。


噛み合わせが悪いと起きる睡眠トラブル

顎の緊張で眠りが浅くなる

噛み合わせが悪いと、就寝中も無意識に顎周りの筋肉を使ってしまいます。
本来リラックスするべき時間に筋肉が働き続けるため、眠りが浅くなりやすいのです。

特に次の筋肉は、緊張しやすく睡眠の妨げとなります。

  • 咬筋
  • 側頭筋
  • 噛むための内・外側翼突筋

これらの筋肉が張ると、頭痛や耳鳴りの原因にもなります。


夜間の食いしばり・歯ぎしりの増加

噛み合わせがずれていると、下顎が安定せず、
脳は噛み合わせを補正しようとして“噛む力”を強くします。

その結果、

  • 寝ている間の歯ぎしり
  • 朝の顎の疲れ
  • あご関節の痛み
  • 頭痛・肩こり

が起こり、睡眠の妨げになります。


舌が下がり気道が狭くなる

噛み合わせが悪いと、下顎の位置が後ろにずれやすくなります。

すると…

  • 舌が喉側に落ちる
  • 気道が狭くなる
  • いびきが出る
  • 無呼吸症候群のリスクが上がる

という悪影響が発生。

特に睡眠時無呼吸症候群のある人は、噛み合わせ改善で症状が軽減することがあるほど、両者の関係は密接です。


噛み合わせ治療で睡眠が改善する仕組み

噛み合わせを改善すると次のような効果が期待できます。

顎周りの筋肉がリラックスする

噛み合わせが整うと、下顎が安定し、
夜間に余計な力を入れなくて済むため、筋肉の緊張が減ります。

結果として、

  • 寝つきが良くなる
  • 深い睡眠が確保できる
  • 朝の頭痛や顎の痛みが軽減

といった改善につながります。


歯ぎしり・食いしばりの減少

噛み合わせ治療やナイトガードの使用により、
就寝中の過度な噛み締めが減少し、脳の覚醒反応が抑えられます。

脳が「起きかける」回数が減るため、
中途覚醒が少なくなり、熟睡度が高まることが期待できます。


気道が広がり、呼吸がスムーズに

下顎の位置が正しくなると、舌の位置も前方・上方に保たれやすくなり、
結果として気道が広がります。

これにより、

  • いびきの軽減
  • 呼吸の安定
  • 睡眠時無呼吸の改善

など、睡眠の質に直結するメリットが得られます。


噛み合わせ治療と睡眠改善の関係を比較表で解説

噛み合わせの改善ポイント睡眠への効果
顎の位置が安定する寝ている間の筋緊張が減り眠りが深くなる
舌の位置が正しくなる気道が広がり呼吸がしやすくなる
歯ぎしり・食いしばりの軽減中途覚醒が減り、朝の疲労も軽減
力の分散で顎関節が保護される顎の痛み・頭痛が減り寝つきが良くなる

噛み合わせを整えると、睡眠の深さ・呼吸の安定・朝の目覚めなど複数の要素が改善します。


どんな噛み合わせ治療が睡眠改善に役立つ?

以下の治療が睡眠改善に効果的とされています。

ナイトガード(マウスピース)

睡眠中の食いしばりを軽減し、筋肉の緊張を緩和します。
顎関節や歯への負担を減らす基本的な治療法です。


噛み合わせの調整

高すぎる被せ物や詰め物が原因の場合、微調整で改善することがあります。


舌・顎のトレーニング

舌の筋力向上や顎の位置を整えるエクササイズ。
口呼吸から鼻呼吸へ移行しやすくなるため、睡眠の質向上に直結します。


矯正治療(必要に応じて)

噛み合わせの根本改善には矯正が有効です。
特に、

  • 過蓋咬合
  • 開咬
  • 出っ歯
  • 下顎後退

は睡眠の質に大きく影響するため、歯科矯正で改善するケースが増えています。


自宅でできる「睡眠×噛み合わせ」セルフケア

今日からできる簡単な習慣も効果的です。

舌の正しい位置を意識する

舌先を上あごの“スポット”につけて過ごすことで、
気道が広がりやすくなります。


食いしばりリマインド

  • 上下の歯は触れない
  • 唇だけ閉じる
  • 肩の脱力を意識

これだけで日中の噛み締めが減り、夜間の食いしばりも軽減します。


寝る前のストレッチ

  • 首のストレッチ
  • 顎周りの筋肉をゆるめる
  • 姿勢改善(猫背を治す)

これらは副交感神経を優位にし、眠りやすい状態を作ります。


まとめ:噛み合わせは「睡眠の質」を左右する重要な要素

  • 噛み合わせが悪いと筋肉が緊張し、眠りが浅くなる
  • 下顎後退で気道が狭まり、呼吸が乱れる
  • 食いしばりが増え、中途覚醒や疲労の原因に
  • 噛み合わせ治療やナイトガードで睡眠が改善される
  • 舌の位置や姿勢などの日常習慣も深く関係する

睡眠で悩む人の中には、「噛み合わせを整えたことで人生が変わった」というケースも珍しくありません。

眠りが浅い、朝の疲れが取れないという方は、
ぜひ一度、歯科医院で噛み合わせのチェックを受けてみてください。

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