治療中の歯が痛い!一時的な痛みと危険なサインの違い

治療中の歯が痛い!一時的な痛みと危険なサインの違い

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「治療したのに痛い…」それって大丈夫?

歯の治療中、あるいは治療直後に「痛み」を感じることは、実はそれほど珍しくありません。とはいえ、「虫歯を削ってもらったのに、ズキズキする」「根管治療中の歯がじわっと痛む」など、不安を感じる方は多いのではないでしょうか?

この記事では、治療後に現れる“よくある一時的な痛み”と、見逃してはいけない“危険なサイン”の違いについて解説します。正しく対処するために、ぜひ最後までお読みください。


治療後に痛みが出るのはなぜ?

歯の治療には、組織に刺激や負担が加わる場面が少なからずあります。たとえば、次のようなケースです。

治療内容主な原因となる痛みのメカニズム
虫歯治療(詰め物)神経への刺激、削った表面の知覚過敏
根管治療歯根膜や周囲組織の炎症・圧迫
被せ物の装着高さや噛み合わせの違和感
抜歯周囲の骨や歯茎への外科的侵襲

これらの治療後に発生する痛みは、多くの場合で「一時的な炎症反応」や「神経の過敏化」によるものです。つまり、時間の経過とともに自然に軽減していくものがほとんどです。


一時的な痛みの特徴

以下のような症状が見られる場合は、比較的よくある一時的な痛みと考えられます。

・痛みが治療後1〜3日以内に発生し、徐々に軽くなる

→削った部分の知覚過敏が一時的に強く出ることがあります。

・噛んだときに響く痛みがあるが、強く噛まなければ平気

→根管治療後の歯根膜の炎症や、被せ物の微調整が必要な可能性があります。

・冷たいものにしみる

→神経が残っている歯の場合、術後の刺激で一時的に敏感になっている可能性があります。


危険な痛みのサインとは?

一方で、次のような症状がある場合は、再治療や早急な対応が必要になることがあります。

・治療後1週間以上経っても痛みが続く・強くなる

→感染や治療不備の可能性があります。

・夜間にズキズキ痛む・眠れないほどの痛み

→歯の根に膿が溜まっている場合があります(根尖性歯周炎など)。

・歯茎が腫れる・膿が出る

→歯根の感染が進行している兆候であり、膿瘍(のうよう)の形成が疑われます。

・噛むと強烈に痛む、何もしなくてもズキズキ

→治療部位に微細なヒビや隠れた虫歯が残っていることもあります。

このような場合は放置せず、できるだけ早く歯科医を再受診することが大切です。


自分でできるセルフチェックリスト

「この痛み、受診すべき?」と迷った時のために、以下のチェックリストをご活用ください。

チェック項目該当する場合のアクション
3日以上痛みが続く歯科で相談を推奨
噛むと強い痛み噛み合わせ確認、再診推奨
歯茎が腫れている感染の疑いあり、早めに受診
発熱・頭痛を伴う全身症状が出ているため要受診
冷温に異常に敏感知覚過敏 or 神経の炎症が疑われる

治療中の痛みに関するQ&A

Q:根管治療中、数日ごとに痛くなるのはなぜ?

A:治療途中で細菌が残っている場合や、一時的に神経周囲が過敏になっていることがあります。症状が改善しない場合は、根管の再洗浄が必要なこともあります。

Q:詰め物をした後に痛みが出るのは失敗?

A:詰め物が高すぎると噛み合わせのズレで痛みが出ることがあります。早期調整で解消できることが多いので、我慢せず伝えましょう。


痛みを我慢するとどうなる?

治療後の痛みを放置すると、以下のようなリスクが高まります。

  • 炎症の拡大:細菌感染が深部に進行することで、根の先端に膿がたまる「根尖病変」に発展

  • 歯の破折:噛み合わせの違和感を我慢して強く噛むことで、歯が割れることも

  • 慢性化:痛みが続くと、慢性炎症が形成され、治療が長期化


治療後の痛みを軽減するセルフケア

痛みを感じたときは、以下のようなケアを心がけましょう。

  • 冷たい飲食物を避ける(知覚過敏への刺激を減らす)

  • 患部で無理に噛まない(片噛みの習慣は避ける)

  • 指や舌で治療部位を触らない

  • 指示された薬(抗生剤・鎮痛剤)を正しく服用する

  • 歯磨きは優しく、電動歯ブラシ使用時は刺激に注意


まとめ:痛みは「体からのサイン」

治療中の歯の痛みは、不安を招くものですが、すべてがトラブルとは限りません。重要なのは、「痛みの種類」と「経過」を冷静に見極めることです。

  • 数日で軽快する痛み → 経過観察でOK

  • 腫れや強い痛みがある → 歯科再診が必要

  • 迷ったらセルフチェックリストを活用

「治療中の痛みは我慢するもの」と思い込まず、気になる症状があるときは、遠慮なく歯科医に相談してください。

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