スマホやタブレットを見る時間が増えた現代。
「首が痛い」「肩がこる」といった不調だけでなく、
実は 歯並びや噛み合わせにも影響を及ぼす ことをご存じでしょうか?
特にスマホを見るときに多い「うつむき姿勢」は、
顎の位置をズラし、顔の筋肉のバランスを崩し、
最終的には 歯並びの乱れや顎関節症につながることがあります。
この記事では、スマホ姿勢がどのように歯並びに影響するのか、
歪みが起こるメカニズムから、今日からできる改善方法まで徹底解説します。
目次
スマホ姿勢で起こる「前傾姿勢」が顎を歪める

スマホを見るとき、多くの人がこの姿勢になっています。
- 頭が前に落ちる
- 顔が前に出る
- 首が曲がり、顎が引ける
- 背中が丸まる
この状態を続けると、「頭の重さ」が顎に大きな負荷としてかかります。
頭の重さは約4〜6kg
頭はボウリング球ほどの重さがあり、
前に5cm出るだけで、首や顎にかかる負荷が 3倍以上になります。
その結果、
- 下顎が後ろに押し込まれる
- 顎関節に負担が集中する
- 顎周りの筋肉がアンバランスに緊張する
という状態が生まれます。
これが「顎の歪み」の始まりです。
顎が歪むとどうして歯並びにまで影響が出るのか?

顎の歪みは、歯並びに直接的・間接的に影響します。
歯並びに影響が出るメカニズム
| 原因 | 仕組み | 結果 |
| 顎が後退する | 舌の位置が下がる | 前歯が押されず出っ歯傾向に |
| 顎が片方にズレる | 片側で噛む癖がつく | 奥歯の高さが変わり歪む |
| 首が前に出る | 口が開きやすい姿勢になる | 口呼吸 → 歯列が狭くなる |
| 顔の筋肉バランスの崩れ | 咀嚼筋が偏って発達 | 顔の左右差が出る |
特に「舌の位置」が大きなポイントです。
舌は本来、上あごに軽く吸いつく位置が正解ですが、
姿勢が悪いと 舌が下がり、歯を内側から支える力が弱まります。
その結果、
- 歯が前に押されて出っ歯気味に
- 上顎(歯列)が狭くなり、ガタガタ(叢生)が増える
- 下顎が引けて顎関節症のリスク上昇
といった影響が起きるのです。
スマホ姿勢で起きやすい歯並びの変化

次のような歯並びの乱れは、姿勢の影響を強く受けます。
□ 出っ歯
□ ガタガタ(叢生)
□ 下顎が後退する
□ 噛み合わせが浅くなる
□ 前歯だけ開く「開咬」
□ 顔の左右差が大きくなる
□ 顎関節のカクカク音
□ 口呼吸が増える
特に子どもは成長期のため、姿勢の影響を強く受けます。
スマホ・ゲーム時間の増加と歯並びの乱れには確かな関連性があると言われています。
スマホ姿勢が「顎関節症」を招く理由

顎関節症は以下の3つが重なると起こりやすくなります。
- 姿勢の悪さ
- 噛みしめ(食いしばり)
- ストレス
特にスマホ姿勢は、
下顎が後ろに押される「後退位」を引き起こし、
顎関節に負荷が直接かかるため、非常に危険な姿勢です。
顎関節症になると次の症状が出ます。
- 顎がカクカク鳴る
- 口が開きにくい
- 顎の付け根が痛い
- 偏頭痛が増える
歯並びだけでなく、日常生活にも影響します。
では、スマホ姿勢を改善するにはどうすればいい?

今すぐできる「スマホ歯並び対策」を紹介します。
スマホ姿勢改善のためのポイント
スマホの位置を“顔より上”に
スマホを胸の位置に持つと自然とうつむき姿勢になります。
目線と同じ高さ、できれば 少し上 に持つのが理想です。
顎を引きすぎない
正しい位置は、
- 顎が軽く前に
- 首がまっすぐ
- 背中が丸まっていない
という状態です。
顎を引くと二重顎になりやすいだけでなく、顎関節に負荷がかかります。
1時間に1回は姿勢リセット
姿勢リセット方法:
- 背筋を伸ばす
- 肩を後ろに大きく回す
- 顎を前後に優しく動かす
- 舌の位置をスポット(上あご)に戻す
3分で十分にリセットできます。
舌のトレーニングを追加する
姿勢チェックと同時に、舌の位置も整えましょう。
舌先を上あごの「スポット」に置き、
舌全体を上顎に吸いつけるようにする練習です。
これは歯並びを正常に保つための大切な習慣です。
食いしばりを意識的に解除する
スマホ中は食いしばりが増えるため、
次のポイントを常に意識しましょう。
- 上下の歯は触れない
- 唇は閉じて、奥歯は離す
- 肩と首に力を入れない
これだけで顎の負担は大きく減ります。
子どものスマホ姿勢はより深刻

子どもの顎や骨格は成長中のため、
姿勢の悪化は歯並びにそのまま影響します。
- 上顎の成長不足
- 出っ歯
- 開咬
- 受け口
- 偏食による噛む力低下
など、姿勢と歯並びの問題は密接です。
家庭でのルールづくりが重要になります。
まとめ:スマホ姿勢は歯並びにも影響する時代

スマホ姿勢は、
- 顎が後退する
- 舌が下がる
- 口呼吸になる
- 噛み合わせが変わる
- 顎関節に負担がかかる
という複合的な理由で歯並びに悪影響を与えます。
しかし、
姿勢改善・舌のトレーニング・噛み締めの防止
などの習慣を身につければ、これらは大きく改善できます。
スマホを使う時間が長い現代だからこそ、
「正しい姿勢」と「顎の健康」を意識することが大切です。