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歯を磨いても虫歯になる人、ならない人の違いとは?

歯を磨いても虫歯になる人、ならない人の違いとは?

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「ちゃんと歯を磨いているのに、なぜか虫歯ができてしまう…」そんな経験、ありませんか?一方で、適当に歯磨きをしているように見えても、虫歯ひとつない人もいますよね。この違い、いったいどこから来るのでしょうか?

実は、虫歯のなりやすさには歯磨きの頻度や技術だけでなく、唾液の性質、食習慣、口呼吸、さらには遺伝的な体質なども深く関係しています。

この記事では「虫歯になる人」と「ならない人」の違いを、身近な視点でわかりやすく解説しながら、虫歯予防に役立つ情報をお届けします。


虫歯はどうしてできる?4つの原因をチェック

虫歯は「細菌」「糖分」「歯の質」「時間」という4つの要因が重なることで発生します。

  • 細菌(ミュータンス菌など):糖をエサにして酸を出し、歯を溶かす
  • 糖分:甘いお菓子やジュースに多く含まれる
  • 歯の質:もともと歯のエナメル質が弱いと虫歯になりやすい
  • 時間:長く糖が口内にあると酸性状態が続きやすい

つまり、歯磨きをしていても、他の3つの要素を放置していると、虫歯のリスクは高くなります。

虫歯になる人・ならない人の生活習慣を比較

項目虫歯になりやすい人虫歯になりにくい人
食習慣間食・甘い物が多い食後の間食は少ない
歯磨き頻度は高いが磨き残しあり丁寧で時間をかける
唾液の量少ない/粘性がある多くてサラサラ
呼吸口呼吸が多い鼻呼吸が基本
定期検診行かない3〜6ヶ月に1度通院

歯磨きの回数が多くても、磨き残しが多かったり、他の習慣が悪いと虫歯は防げません。


見逃しがちな虫歯のリスク因子

フロスや歯間ブラシを使わない

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは落としきれません。歯科衛生士によると「歯間清掃をしない人は、虫歯リスクが約2倍高まる」との報告もあります。

唾液の力が弱い

唾液は、酸性に傾いた口腔内を中和し、虫歯菌の活動を抑える役割を持っています。ストレスや加齢、薬の影響で唾液が減ると、虫歯リスクが急上昇します。

ちょこちょこ食べ

甘い飲み物や間食をダラダラ摂取していると、口の中が常に酸性状態になり、歯が溶けやすくなります。食べる「回数」がリスクを上げるポイントです。

遺伝や体質も関係ある?

「体質で虫歯ができやすい」というのも、ある程度は事実です。

  • 歯のエナメル質が弱い
  • 唾液の抗菌作用が低い
  • 歯の並び方が複雑で磨きにくい
  • 親からの虫歯菌の感染(母子感染)

しかし、こうしたリスクを知っていれば、正しいケアで十分に予防できます。予防習慣を持つことで“体質に左右されない”口腔環境をつくれます。


虫歯を防ぐ具体的なケア方法

正しい歯磨き習慣

  • 歯ブラシは1ヶ月で交換
  • 力を入れすぎず、軽いタッチで細かく動かす
  • 歯の裏や奥歯、歯と歯の間を意識

フロス&歯間ブラシの併用

  • 毎晩寝る前のケアに必須
  • フロス:歯と歯の間の汚れを除去
  • 歯間ブラシ:歯と歯の隙間が広い方に有効

食事の見直し

  • 間食は1日2回以内
  • 甘いものは食後にまとめて摂取
  • キシリトール入りガムを活用

唾液を増やす習慣

  • よく噛む(1口30回)
  • 水分補給をこまめに行う
  • ガムや梅干しなどで唾液分泌を促す

歯科医院でのプロケア

  • 定期的なクリーニングとフッ素塗布
  • 歯の状態に応じたシーラント処置(特に子ども)

歯科医院で受けられる予防処置とは?

虫歯予防には毎日のセルフケアが欠かせませんが、歯科医院で受けられる「プロのケア」も重要です。特に以下のような処置は、虫歯の発症を未然に防ぐ強い味方になります。

フッ素塗布

歯の表面にフッ素を塗ることで、歯質を強化し、酸に溶けにくい状態にします。家庭用の歯磨き粉よりも高濃度のフッ素を使うため、効果が高いのが特徴です。子どもだけでなく、大人にも推奨される処置です。

シーラント処置

奥歯の溝にプラスチックのような素材を流し込み、食べかすやプラークがたまらないようにします。特に虫歯になりやすい第一大臼歯(6歳臼歯)への処置が一般的です。

歯のクリーニング(PMTC)

専門の機器を使って、歯ブラシでは落としきれないバイオフィルム(細菌の膜)を除去します。着色や歯石の除去とともに、歯の表面がツルツルになり、汚れが付きにくくなる効果もあります。

これらの処置は、虫歯リスクの高い方や、自分では磨き残しが出やすい方にとって非常に有効です。定期的に通うことで、虫歯を“作らない”口腔環境を保てるのです。

子どもと親の虫歯予防はセット

親が虫歯の多い家庭では、子どもも虫歯になりやすい傾向があります。母子感染を防ぐには、乳児期からのスプーン共有を避ける、親も虫歯菌の管理をすることが大切です。

また、子どもの歯磨きは仕上げ磨きが必須。習慣づけが将来の虫歯リスクを大きく下げます。


まとめ

  • 歯を磨いても虫歯になる人は、磨き方や生活習慣にリスクがあることが多い
  • 食習慣や唾液の質、口呼吸、遺伝的要因も影響
  • フロス・歯間ブラシ・プロケアの3点セットが虫歯予防のカギ
  • 「体質だから」と諦めず、正しいケアと知識でリスクはコントロールできる

毎日同じように磨いていても、結果に差が出るのは“磨き方の質”と“虫歯を育てない生活環境”が違うから。今日からできる小さな習慣を重ねて、“虫歯にならない人”に近づいていきましょう。

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