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歯列矯正を始めるタイミングはなぜ重要?

歯列矯正を始めるタイミングはなぜ重要?

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歯列矯正にはいろいろな治療法がありますが、その効果や期間、費用感などは始める年齢によって変わることがあります。例えば骨格が成長中の子どもであれば、顎の成長を利用して歯並びを整えやすいケースがありますし、大人になってからだとライフスタイルに合わせて目立ちにくい装置を選ぶことができる、といった違いが出てきます。


厚生労働省の「平成28年歯科疾患実態調査」によると、不正咬合(歯並びやかみ合わせの異常)がある人の割合は年齢が上がるにつれ増加傾向にあり、結果的に歯周病や虫歯リスクも高くなると言われています。歯並びが悪いまま放置していると、将来的にインプラントやブリッジなどの治療が必要になる可能性が上がるケースも…。つまり、歯列矯正は早めに検討するほど選択肢も多くなり、将来的なリスクを減らせるというメリットがあります。


小児期(乳歯~永久歯への生え替わり前後)の矯正

子どもの場合、乳歯から永久歯に生え替わる時期を利用して歯並びを整えやすいと言われています。顎の骨がまだ柔軟に成長する段階なので、「歯と顎のバランス」が取りやすいのがポイントです。

メリット
・顎の成長を利用しやすいので、大掛かりな抜歯を回避できる可能性がある。
・早い段階で歯並びを整えるため、その後の虫歯や歯周病リスクを下げやすい。
・歯並びのコンプレックスが減り、生活での自信向上につながる。

デメリット
・まだ歯が生え替わる途中の場合、二期治療(永久歯が揃ってからの本格矯正)に移行するケースもあり、治療期間が長くなることがある。
・子ども自身が装置の扱いに慣れるまでは、保護者のサポートが必要。
・成長の段階に個人差があるため、適切なタイミングを見計らうために定期的な通院が重要。


思春期(中学生~高校生)の矯正

思春期は、乳歯から永久歯への生え替わりがほぼ完了し、なおかつまだ顎の成長が続いている時期です。この時期に矯正を始める人も多く、学校の友達同士でも「矯正してる子がクラスに何人かいる」という状況が珍しくありません。

メリット
・小児期ほどではないにしても、まだ成長をある程度利用できるため、抜歯を回避できる場合もある。
・カラーブラケットやインビザラインなど、装置の選択肢が増えているので、おしゃれ感覚で取り組むことも可能。
・同年代の仲間も矯正しているケースが多く、心理的なハードルが下がりやすい。

デメリット
・中学生~高校生は部活や受験などのイベントが多く、通院スケジュールを組むのが大変になる場合がある。
・思春期特有のホルモンバランスの変化で、歯肉炎などのリスクが上がる場合もあり、口腔ケアへの意識が必要。
・ワイヤー矯正の場合、見た目を気にして嫌がる子もいる。

思春期に矯正を開始すると、顎の骨が大人ほど硬くないため、歯の動きが比較的スムーズという長所があります。さらにインビザライン・ティーンと呼ばれるような透明のマウスピース型矯正も登場しているため、装置が目立つのが嫌な方でも取り組みやすくなりました。保護者の方は定期的なケアと通院ができるよう、スケジュール管理を手伝ってあげるといいですね。


成人期(大学生~社会人以降)の矯正

大人になってから矯正を始めるケースは、ここ数年で大きく増えています。20歳以上の矯正患者さんの割合は20年前と比べるとおよそ1.5倍に増加しているデータもあります。見た目に配慮した矯正装置や、仕事との両立がしやすい治療計画が整ってきたことも背景にあると考えられています。

メリット
・自分で費用を負担できるようになるため、インビザラインや裏側矯正など、ライフスタイルに合わせた装置を選択できる。
・十分に成長が完了しているので、治療ゴールの予測が立てやすい。
・歯並びが整うことで、ビジネスシーンでも好印象を与えやすくなる

デメリット
・顎の骨の成長が止まっているため、大掛かりな抜歯や外科処置が必要になるケースもある。
・通院期間中は仕事や家庭と両立が求められるので、スケジュールに合わせた計画が重要。
・歯周病などのリスクが高まる年代でもあるため、矯正治療と並行して歯周組織のケアが必須。

成人になってからの矯正には、「自分で納得して選べる」「仕事に合わせて装置を変えられる」といった自由度の高さがあります。表側からのワイヤー矯正以外にも、裏側矯正やインビザラインなどが人気で、特にインビザラインは見た目がほとんど気にならず取り外しもできるため、社会人に多く選ばれています。ただし、虫歯や歯周病の治療を先に済ませる必要がある場合も多いので、まずは歯科医院で全体的な口腔チェックをしてもらいましょう。


年齢別・矯正のメリットとデメリット 比較表

以下に、小児期・思春期・成人期それぞれの特徴をまとめた表を用意しました。ざっくりとした目安ではありますが、「どんな違いがあるの?」と気になったときに参考にしてみてください。

年齢帯主な特徴メリットデメリット
小児期乳歯~永久歯の生え替わり前後・顎の成長を利用しやすい
・早期発見・対策が可能
・歯磨き習慣を確立しやすい
・成長段階に合わせた経過観察が必要
・本人の協力が必要
・治療期間が長引くことがある
思春期中学~高校生・まだ顎が柔らかめで歯が動きやすい
・同年代に矯正経験者が多く心理的ハードルが低い
・通院と勉強・部活との両立が課題
・ホルモンバランスの影響で歯肉炎リスクが高まる場合あり
成人期20代以降・ライフスタイルに合わせた矯正法を選べる
・費用を自分で出しやすい
・ゴールが予測しやすい
・外科的処置が必要になることも
・矯正に加えて歯周病治療などが必要な場合がある

他の歯科治療との関連

「歯列矯正が終わったら、もっと自分の歯を美しくしたい!」という方も増えており、最近は美容歯科や審美歯科と矯正を組み合わせて、ホワイトニングやセラミック治療を行うケースも少なくありません。

また、歯並びやかみ合わせの問題によっては、将来的にインプラントやブリッジなどの治療が必要になる場合もあります。歯列矯正によって歯並びを整えておくと、歯を失うリスクを最小限に抑えられるので、早めに矯正を検討する価値は十分にあると言えるでしょう。


まとめ:いつ始めるかは「目的」と「ライフステージ」で考えよう

歯列矯正は年齢に応じてメリット・デメリットが変わりますが、大切なのは「今のライフステージで何を重視したいか」を明確にすることです。


・小児期・思春期なら:顎の成長を活かしてスムーズな矯正を期待できる反面、治療期間が長くなる可能性やケアの継続が課題。
・成人期なら:自分のライフスタイルに合わせた方法を選択しやすい代わりに、既存の歯や歯周組織の状態によっては追加の治療が必要になる場合も。


最近は、インビザラインをはじめとする目立ちにくい装置や、歯科医院によっては通院回数を減らせるシステムも整ってきています。もし悩んでいるなら、一度歯医者さんに相談してみることをおすすめします。早めに歯列矯正について情報を集めれば、その分だけ治療の選択肢も増えますし、インプラントやブリッジなどの先進的な治療への不安も解消しやすくなるでしょう。


歯並びが整うと、食事や会話のしやすさはもちろん、笑顔に自信が持てるようになるので、日常生活がぐっと豊かになるはずです。ぜひ年齢や環境に合ったタイミングで歯列矯正を始めて、快適でキラキラした笑顔を手に入れてみてくださいね!

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