「昔入れた銀歯、問題なく使っているけれど、交換の必要ってあるの?」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
日本では保険適用で広く使用されている銀歯(金銀パラジウム合金など)は、耐久性に優れる一方で、永久に使えるわけではありません。経年劣化により虫歯の再発や見えないトラブルを引き起こすリスクもあります。
この記事では、銀歯の平均寿命、劣化のサイン、交換が必要なタイミング、そしてセラミックなど他素材との比較まで、信頼できる情報をもとにわかりやすく解説します。
目次
銀歯の寿命は平均何年?

銀歯の寿命は使用環境やメンテナンス状況によって個人差はありますが、平均して7〜10年程度とされています。
ただし、これはあくまで目安です。しっかりケアしていても、以下の要因で寿命が短くなることがあります。
- 歯ぎしり・食いしばりの癖がある
- 銀歯の下に虫歯が再発(2次カリエス)
- 歯茎が下がって銀歯との隙間が広がる
- 銀歯そのものの変形・摩耗・腐食
中には20年近く問題なく使えるケースもある一方で、数年でトラブルが生じることも。定期的な点検と、異変の早期発見が重要です。
劣化の兆候とは?見逃してはいけない5つのサイン

銀歯は見た目では劣化がわかりにくいことが多く、放置してしまう人も少なくありません。しかし、以下のような症状が出てきたら、交換を検討すべきサインです。
1. 噛むと違和感がある
銀歯が劣化して歯と合わなくなると、噛み合わせがズレたり、物を噛むときに痛みや違和感を感じることがあります。
2. 銀歯の周囲の歯茎が腫れる
内部で虫歯や炎症が進行しているサインかもしれません。銀歯と歯の間に隙間が生じて、細菌が入り込んでいる可能性があります。
3. 銀歯の下から虫歯の臭いがする
フロスを通したときに異臭がしたり、口臭が強くなったと感じたら、内部に虫歯が再発している可能性も。
4. 銀歯の変色や黒ずみ
銀歯に使われている合金が長年の使用で腐食してくると、見た目の変化として現れます。
5. 舌で触るとギザギザ・引っかかる
銀歯の表面が摩耗していたり、欠けている可能性があります。そのまま使い続けると口内炎の原因にもなります。
銀歯と他素材の寿命比較
以下の表は、一般的に使用される補綴物の素材別寿命の比較です。
素材 | 寿命の目安 | 特徴 | 保険適用 |
銀歯(金銀パラジウム合金) | 約7〜10年 | 安価・強度は高いが劣化・虫歯リスクあり | ◯ |
オールセラミック | 約10〜15年 | 審美性が高く劣化しにくい | × |
ジルコニアセラミック | 約10〜20年 | 強度・見た目・耐久性に優れる | × |
ゴールドクラウン | 約10〜20年 | 歯にやさしく劣化しにくいが高価 | × |
ハイブリッドセラミック | 約5〜8年 | 安価だが樹脂が含まれており劣化しやすい | × |
銀歯は保険適用でコストを抑えられる一方、経年劣化や見た目の問題、再治療リスクが伴います。長期的視点では、自費素材への変更を考える価値があります。
銀歯の交換時期と治療の流れ

交換を行う際は、以下のような流れで治療が進みます。
1. 銀歯の除去
専用の器具で古い銀歯を取り外し、中の状態を確認します。
2. 虫歯や歯の破折のチェック
内部で虫歯が進行していないか、歯根の破折がないかを確認し、必要に応じて処置します。
3. 型取り・仮歯の装着
新しい補綴物を作るための型を取り、見た目と噛み合わせを整えるための仮歯を装着します。
4. 新しい補綴物の装着
セラミックやジルコニアなど選択した素材で作成した人工歯を装着し、調整を行います。
費用の目安(自費診療の場合)
素材 | 費用相場(1本あたり) |
オールセラミック | 約8〜15万円 |
ジルコニア | 約10〜16万円 |
ゴールドクラウン | 約10〜20万円 |
ハイブリッドセラミック | 約5〜8万円 |
※費用はクリニックによって異なるため、事前のカウンセリングでしっかり確認しましょう。
銀歯からセラミックに替えた人の声

実際に銀歯を交換した患者の声には以下のようなものがあります。
- 「長年悩んでいた口臭が改善した」
- 「見た目が自然で、人前でも気にならなくなった」
- 「噛み心地が良くなって食事が楽しくなった」
機能性だけでなく、見た目や気持ちの面でもメリットが大きいと感じる人が増えています。
まとめ:銀歯の見直しは“予防”の一歩

銀歯は決して悪い治療法ではありませんが、永久に使えるものでもありません。
寿命が近づいたまま放置すると、見えない虫歯や口臭、歯周病の原因となり、結果的に大きな治療費がかかることも。
- 銀歯の寿命は7〜10年が目安
- 違和感・変色・臭いは劣化のサイン
- 交換時はセラミックなどの素材も選択肢に
銀歯に不安がある方や、長年チェックしていない方は、一度歯科医院での点検をおすすめします。早めの対策が、あなたの健康と笑顔を守る第一歩になります。