口の中がネバつく…その原因と改善法を解説

口の中がネバつく…その原因と改善法を解説

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朝起きたときや日中の会話中、「なんだか口の中がネバネバする」と感じたことはありませんか?
一時的なものであればあまり心配はいりませんが、慢性的に続く場合は口腔環境や全身の健康に何らかの問題が潜んでいる可能性があります。

日本口腔衛生学会の調査では、成人の約30%が「口のネバつき」を日常的に感じており、その半数以上が口臭や不快感を伴っていると報告されています。
さらに、口のネバつきは歯周病の初期症状として現れることも多く、早期対応が予防につながるとされています。

今回は、口のネバつきの主な原因から、すぐにできる改善法、歯科医院での対処法まで詳しく解説します。


口の中がネバつく主な原因

唾液分泌量の減少(ドライマウス)

唾液は口内を潤し、細菌や食べかすを洗い流す「自浄作用」を持っています。
分泌量が減ると細菌が増えやすくなり、ネバつきや口臭が強くなります。
加齢やストレス、薬の副作用(抗うつ薬・降圧薬・抗アレルギー薬など)、口呼吸、脱水症状などが原因として挙げられます。

口腔内の細菌増加

口の中には500種類以上の常在菌が存在します。普段はバランスが保たれていますが、歯磨き不足や間食の多さによってバランスが崩れると、細菌が粘性物質(バイオフィルム)を生成し、ネバつきが強くなります。特に睡眠中は唾液の分泌が減るため、朝の口のネバつきは顕著です。

歯周病

歯周病菌はネバネバしたバイオフィルムを作り、歯茎の炎症や出血、膿の発生を伴います。
この膿や出血が唾液に混ざることで、特有の粘つきや不快な味が生じます。
歯周病は日本人の成人の約80%がかかっているとも言われ、放置すれば歯を失う大きな原因になります。

食生活の乱れ

糖分の多い食事や間食は細菌のエサになり、短時間で細菌数を増加させます。
また、極端な糖質制限や栄養不足は唾液の分泌を減らし、結果的に口のネバつきを助長します。

全身疾患

糖尿病や肝疾患、胃腸障害などの全身疾患が原因で、唾液の質や量が変化しネバつきが出ることがあります。
糖尿病患者では唾液中の糖濃度が高くなり、細菌繁殖が活発になることが知られています。


原因別に見るネバつきの特徴

原因特徴的な症状対処法の方向性
唾液分泌量減少乾燥感、会話しづらさ、パンや乾物が食べにくい水分補給、保湿ジェル、唾液腺マッサージ
細菌増加朝の強い口臭、舌の白い苔状の付着歯磨き・舌清掃・プロフェッショナルクリーニング
歯周病出血、膿、慢性的な口臭、歯茎の腫れ歯周病治療、スケーリング
食生活の乱れ間食後の粘つき、甘い飲食物後の違和感食習慣改善、糖分制限、間食回数の減少
全身疾患全身症状(疲労感、体重減少など)と併発内科受診と並行して口腔ケア

口のネバつきと口臭の関係

口のネバつきは口臭と密接に関連しています。
口臭の約90%は口腔内の原因によるもので、その多くが細菌の代謝で生じる揮発性硫黄化合物(VSC)です。ネバつきがある状態は細菌が増えているサインであり、放置すると口臭が慢性化する可能性が高まります。


自宅でできる改善法

水分補給をこまめに行う

1日あたり1.5L前後を目安に、水やカフェインレスの飲料をこまめに摂取します。
アルコールやカフェインは利尿作用があり、逆に口の乾燥を進めてしまいます。

唾液腺マッサージ

耳下腺(耳の前)、顎下腺(顎の下)、舌下腺(舌の付け根)を指でやさしく押すと唾液分泌が促されます。
特に就寝前に行うと、夜間の乾燥予防になります。

舌清掃

舌の表面に付着した舌苔は細菌の温床です。舌ブラシや専用クリーナーで優しく取り除きましょう。
強くこすりすぎると舌を傷つけるため注意が必要です。

食習慣の改善

糖分の多い飲食物や間食を減らし、野菜・たんぱく質・ビタミン類をバランスよく摂ることが大切です。
特にビタミンCは歯茎の健康維持に、ビタミンAは粘膜保護に役立ちます。

口呼吸の改善

鼻詰まりや口呼吸の癖がある場合、マウステープや鼻呼吸トレーニングで改善を目指します。
就寝時は加湿器を使用し、乾燥を防ぐことも有効です。


ネバつきを放置するとどうなる?

長期的に放置すると、

・歯周病・虫歯リスク増加

・慢性的口臭

・炎症による全身疾患(糖尿病、心疾患、誤嚥性肺炎など)リスク上昇

特に高齢者では、口腔内の細菌が肺に入り込み誤嚥性肺炎を引き起こすケースも報告されています。


改善のための1日のケアルーティン例

  1. 起床後:うがい+コップ1杯の水

  2. 朝食後:歯磨き+舌清掃

  3. 日中:こまめな水分補給(無糖)

  4. 昼食後:軽く歯磨きまたはうがい

  5. 夜:丁寧な歯磨き+フロス+舌清掃+唾液腺マッサージ

  6. 就寝前:加湿器をセットして鼻呼吸で睡眠


まとめ

・口のネバつきは唾液減少、細菌増加、歯周病、食生活、全身疾患など多くの要因で起こる

・改善には生活習慣の見直しと歯科医院でのプロケアが重要

・放置すると口臭や全身の健康リスクに直結する

・毎日の正しいケア+定期検診で快適な口腔環境を維持できる

  • 口のネバつきは唾液減少、細菌増加、歯周病、食生活、全身疾患など多くの要因で起こる
  • 改善には生活習慣の見直しと歯科医院でのプロケアが重要
  • 放置すると口臭や全身の健康リスクに直結する
  • 毎日の正しいケア+定期検診で快適な口腔環境を維持できる

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