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歯医者が苦手でも大丈夫!痛みを最小限にする最新歯科治療とクリニックの選び方

歯医者が苦手でも大丈夫!痛みを最小限にする最新歯科治療とクリニックの選び方

「歯医者に行くのはどうしても怖い」「過去に痛い治療を経験してトラウマがある」――こうした思いから、つい歯科受診を先延ばしにしている人は意外と多いのではないでしょうか。約50%の成人が「歯科治療に対して恐怖や不安感を持っている」といわれております。しかし、歯の痛みや違和感を放置すると、虫歯や歯周病が進行して治療期間や費用が増えるばかり。できるだけ早く行きたいけれど、痛いのは嫌というのが本音ですよね。
そこで注目されているのが、痛みを最小限にする最新の歯科治療です。最近では麻酔技術の進歩やレーザー治療など、患者さんの負担を軽減する方法が次々と登場し、「歯医者が苦手」と感じる人でも比較的安心して受診できる環境が整いつつあります。本記事では、痛みの少ない歯科治療の最新情報と、クリニック選びのポイントを詳しく解説します。


なぜ歯医者が怖い?苦手意識の主な原因

  • 過去の痛い治療の記憶
    子どものころや以前の治療で、麻酔が効きづらく痛みを強く感じた経験があると、歯科医院全体が怖い場所というイメージになりがち。

  • 器具の音や匂いが苦手
    ドリルの「キーン」という音や、独特の薬品の匂いに恐怖心を覚える人も少なくありません。

  • 不安を相談しづらい雰囲気
    痛みの程度や治療方法について説明が少なく、患者側が疑問を抱えたまま治療が進むと、苦手意識が募る可能性があります。

厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によれば、痛くなるまで歯科医院に行かない人が約6割にものぼるというデータがあります。恐怖心から先延ばしにしてしまうと、結果的に大きな治療が必要になるケースも多いため、「痛みが少ない治療を選ぶ」ことはとても重要です。


痛みを最小限にするための最新治療技術

1.電動麻酔器(コンピュータ制御麻酔)

従来、注射針を手動で動かす際の圧力やスピードが原因で痛みを感じるケースがありました。そこで登場したのが、電動麻酔器(コンピュータ制御麻酔)。注入速度や圧力を微調整しながら麻酔薬を入れるため、注射による痛みや不快感が大幅に軽減されます。
さらに、「表面麻酔」を塗って歯肉を少し痺れさせた後に注射を行えば、針を刺す時のチクッとした痛みも感じづらくなり、恐怖心が和らぐというメリットがあります。

2.レーザー治療

歯科用レーザーは虫歯の除去や歯周ポケットの消毒、知覚過敏の抑制など、さまざまな分野で活用が広がっています。レーザー治療は歯を削るときの振動や不快な音が少なく、出血や痛みも通常のドリル治療に比べて軽減されることが多いと報告されています。
また、一部のレーザーは麻酔なしでも我慢できる程度の痛みで済むとされ、子どもから高齢者まで幅広い世代が恩恵を受けています。ただし、虫歯の進行具合や歯の位置によっては従来のドリル治療が必要な場合もあるので、症例に応じて選択されます。

3.笑気麻酔・静脈内鎮静法

「注射や治療自体への恐怖が強く、麻酔だけでは不安」という方には、笑気麻酔静脈内鎮静法という選択肢があります。笑気麻酔は鼻から笑気ガスを吸入し、気分をリラックスさせる方法で、患者さんは意識がある状態でも不安感が軽減され、痛みに敏感になりにくくなります。
一方、静脈内鎮静法は点滴で鎮静薬を投与し、半分眠っているような状態で治療を受ける方法です。全身麻酔とは異なり、呼吸は自分で行いつつ意識がぼんやりした状態になるため、治療の記憶や痛みの感覚が薄れるのが特徴です。大学病院や口腔外科を中心に、抜歯や長時間の治療で導入されることが多いです。

4.MI(Minimal Intervention)治療

MI治療は「最小限の侵襲」をコンセプトに、できるだけ歯を削らず・抜かずにすむように配慮された治療方法です。例えば虫歯の初期段階であれば、削らずにフッ素や再石灰化を促す薬剤で経過観察するなど、痛みを伴う工程を減らす取り組みが行われています。
さらに、3Dスキャナーマイクロスコープを活用し、精密に虫歯部分だけを削るなど、患者への負担が少ない治療が普及し始めています。


痛みを最小限に抑えるクリニックの選び方

1.カウンセリングが充実しているか

痛みに対する恐怖心が強い場合、治療前のカウンセリングが特に重要です。どのような治療方法があるのか、麻酔や鎮静法をどう行うのか、費用はどれくらいかかるのか――これらを親身になって説明してくれる歯科医院なら安心感が違います。
WEBサイトや口コミで「説明が丁寧」「不安を聞いてくれる」という声があるかチェックするのもひとつの方法です。

2.最新機器や麻酔技術を導入しているか

痛みを軽減する治療を行っている歯科医院の多くは、電動麻酔器やレーザー機器など最新の設備を導入しています。医院のホームページや問い合わせ時に、以下のようなキーワードがあるか注目してみましょう。

キーワード主な内容
電動麻酔器(コンピュータ制御麻酔)注射の痛みを減らすための麻酔装置
レーザー治療切削時の痛みや出血を抑え、振動や不快音を軽減
笑気麻酔、静脈内鎮静法強い恐怖心や長時間治療が必要な場合でもリラックスして治療を受けられる
MI治療できる限り削らない、抜かない方針で患者の負担を軽減

3.スタッフの対応や雰囲気

歯科医院全体の雰囲気やスタッフの対応は、治療時のストレスにも大きく影響します。受付や歯科衛生士とのやり取りで不信感を抱くと、歯科医師に相談しづらくなるケースも。
事前に電話やメールで問い合わせたときの対応や、医院の内装・清潔感などを確認し、自分が安心して通えそうかどうかを判断してください。痛みを最低限に抑える技術があっても、患者とスタッフのコミュニケーションが不十分だと、治療の進行に不安やトラブルが生じやすくなります。


痛みを少なくするために患者自身ができること

  1. 定期検診と早めの受診
    痛みを先延ばしにすると、その分虫歯や歯周病が悪化し、大がかりな治療が必要になるリスクが高まります。痛みを避けたいなら、痛みが出る前にこまめに検診を受けるのが大切です。

  2. ブラッシング・フロスの徹底
    毎日の口腔ケアをしっかり行うことで、虫歯や歯周病の原因となるプラークの蓄積を防ぎます。特に歯間や歯周ポケットはブラシが届きにくいので、フロスや歯間ブラシを使って歯石の溜まりにくい環境を作りましょう。

  3. 歯科医師に不安を伝える
    痛みに対する不安やトラウマ、麻酔が効きにくい体質などは遠慮なく医師やスタッフに相談することで、治療がスムーズに進むことが期待できます。無理に我慢するのではなく、自分の状況を的確に伝えることが痛み軽減の第一歩です。

まとめ:怖がらずに通える歯科医院を見つけよう

歯科恐怖症や過去の痛みの記憶で「歯医者に行けない」と感じている方も、近年の歯科治療は大きく進歩し、痛みを最小限に抑える技術が充実しています。

  • 電動麻酔器や表面麻酔で注射の痛みを緩和
  • レーザー治療で振動や不快音を軽減
  • 笑気麻酔や静脈内鎮静法でリラックスした状態で治療可能
  • MI治療で「できるだけ削らない・抜かない」方針

こうした最新のアプローチを導入している歯科医院も増えており、患者の不安に寄り添ったカウンセリングやコミュニケーションを重視するクリニックが選ばれる時代です。「歯医者なんて絶対行きたくない……」と思っている方も、まずは痛みの少ない治療を得意とする歯科医院をリサーチしてみてください。

実際に受診してみると、「思っていたほど痛くなかった」「しっかり説明を受けたら安心できた」など、恐怖心が薄れて定期検診にも通いやすくなることが期待できます。虫歯や歯周病は放置すればするほど悪化し、最終的に痛い思いをするリスクが高まるだけ。自分に合った医院を見つけ、早めに治療やメンテナンスを進めることで、健康な歯と笑顔を守りましょう。

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