「気づいたらいつも右で噛んでいる」
「ガムを噛むときは絶対に左側になる」
「片方の奥歯ばかり使っている自覚がある」
このような“片側噛み”の癖は、多くの人に見られます。
しかし、無意識に続けていると 歯並び・顎・顔のバランスに大きな影響を与える習慣でもあります。
この記事では、片側で噛む癖がもたらす歯並びの変化と、改善方法をわかりやすく解説します。
目次
片側噛みとは?なぜ人は一方だけで噛んでしまうのか

片側噛みとは、食事や咀嚼を左右のどちらか一方だけで行う癖のことです。
理由はいくつかあります。
- 虫歯やしみる側を避ける
- 詰め物や被せ物が違和感
- 顎が動かしやすい側がある
- 習慣的に片側を選んでしまっている
- 噛み合わせのズレ
- 左右の筋肉量の違い
痛みなどの“きっかけ”から片側噛みが始まり、その後は習慣化していくケースが多く見られます。
片側噛みが歯並びに与える影響

片側で噛む癖は、見た目にも機能にもさまざまな影響を及ぼします。
顔の左右差が大きくなる
片側ばかりで噛むと、使用している側の筋肉が発達し、反対側は弱くなります。
| 部位 | よく使う側 | 使わない側 |
| 咬筋(かむ筋肉) | 発達して大きくなる | 衰えて小さく見える |
| 頬の張り | 外側に広がる | すっきりする |
| エラ部分 | 大きく見える | 小さく見える |
その結果、顔の輪郭が左右でアンバランスになり、
鏡で見ると“片側だけ膨らんだように見える”状態になります。
歯列の傾き・ズレ
片側だけで噛むと、歯列全体が少しずつ“使用している側”へ押されます。
よく使う側
→ 歯が圧力で内側に倒れ込む
使わない側
→ 歯が外側へ広がりやすい
これが長期間続くと、次のような歯並びの乱れにつながります。
- 奥歯の高さの違い
- 歯列の傾斜
- 噛み合わせのズレ(偏咀嚼咬合)
- 上下の中心線のずれ
特に「上下の真ん中がずれる現象(ミッドラインシフト)」は片側噛みによく見られます。
顎関節症リスクが上昇
片側ばかりで噛むと、
- 顎が常に同じ方向に動く
- 顎関節が一方に偏る
- 筋肉の緊張が片側に集中する
この状態が続くことで、顎関節に過負荷がかかります。
症状としては、
- カクカク音が鳴る
- 口が開けにくい
- 顎が痛む
- 頭痛・肩こり
など、全身的な不調にまで広がることがあります。
前歯にも影響が及ぶことがある
片側噛みは奥歯だけでなく、前歯の歯並びにも影響します。
例えば、
- 片側で噛む癖 → 顎がズレる
- 顎がズレる → 舌の位置が変わる
- 舌の位置が下がる → 歯列が内側に押される
この連動で、前歯のガタガタや出っ歯傾向が進行することもあります。
片側噛みを続けたときの変化を比較表にまとめる

| 長期間の片側噛みがもたらす変化 | 説明 |
| 顔の左右差 | 使用側の筋肉が発達し輪郭が変化 |
| 歯列の傾き | 噛む力が片側に集中し歯が傾く |
| 噛み合わせのズレ | 奥歯の高さが変わりミッドラインがずれる |
| 顎関節症 | 関節が片側だけ負担を受け痛みを起こす |
| 頭痛・肩こり | 咀嚼筋の緊張が全身の姿勢に影響 |
| 舌の位置が不安定 | 歯列が狭くなりガタガタが進行 |
片側噛みは見た目だけでなく、噛む機能や身体のバランスにも大きく影響することがわかります。
自分が片側噛みかチェックする方法

以下の項目のうち、3つ以上当てはまれば片側噛みの可能性が高いです。
□ ガムを噛むとき必ず同じ側
□ 寝るとき横向きが多い(同じ側)
□ 肩こりが片側に偏る
□ 顎の開閉がまっすぐでない
□ 顔の左右差が気になる
□ 左右の奥歯の高さが違う
□ 片側だけしみる歯が多い
当てはまるほど、歯並びや顎のバランスが偏っている可能性があります。
片側噛みを改善するための方法

原因となる「痛み」や「違和感」を治す
片側噛みの多くは、避けたい側に問題があるケースです。
- 虫歯
- 知覚過敏
- 歯周病
- 被せ物・詰め物の不適合
これらの治療を行って、両側で噛める環境を整えることが第一歩です。
ガムトレーニングで左右均等に噛む練習
ガムまたはキシリトールタブレットを使って練習します。
- 右だけで30秒噛む
- 左だけで30秒噛む
- 最後に両側でバランスよく噛む
これを毎日数分続けることで、筋肉のバランスが整い始めます。
舌のトレーニング
舌の位置が下がると片側噛みにつながるため「スポットポジション」を意識します。
- 舌先を上あごの前歯の少し後ろに当てる
- 舌全体を上顎に吸いつける
これで噛み合わせの安定にもつながります。
顎のストレッチで筋肉のバランスを整える
- 口をまっすぐゆっくり開閉
- 首を伸ばすストレッチ
- 顎周りのマッサージ
特に側頭筋・咬筋のストレッチは効果的です。
矯正治療で根本改善するケースもある
長年の片側噛みによって歯列が大きくずれている場合、
矯正治療で噛み合わせ全体を整えたほうが良いこともあります。
- ミッドラインのズレ
- 奥歯の高さの不均衡
- 顎の偏位
- 顎関節症併発
こうした場合は、歯科医師と相談のうえ、根本治療を検討します。
まとめ:片側噛みは歯並びと顔のバランスを大きく変える

- 片側ばかりで噛むと、筋肉・歯列・顎に大きな偏りが生じる
- 顔の左右差、噛み合わせのズレ、顎関節症に発展する可能性
- 前歯の乱れや舌の位置にも影響
- 改善には原因治療・筋バランス調整・咀嚼習慣の見直しが重要
片側噛みは「小さな癖のようで、実は大きな影響を持つ習慣」です。
今日から“両側でバランスよく噛む生活”を意識して、歯並びや顎の健康を守りましょう。