「笑うと歯ぐきがたくさん見えてしまう…」
「写真を撮ると歯より歯ぐきが目立ってしまう…」
このようなお悩みを持つ方は少なくありません。
一般的に「ガミースマイル」と呼ばれる状態で、見た目に自信を持てず、人前で思い切り笑えない原因になることもあります。
実際、日本審美歯科学会の調査によれば、20〜30代女性の約15%が「笑ったときの歯ぐきの見え方」を気にしていると回答しており、審美歯科相談の中でもニーズの高い分野です。
今回は、笑ったときに歯ぐきが気になる原因と改善方法をわかりやすく解説します。
どこからが「歯ぐきが見えすぎ」なのか?

笑ったときに見える歯ぐきの量は個人差がありますが、審美歯科では上の歯の歯肉露出が3ミリ以上だと「ガミースマイル」と診断されることが一般的です。
理想的なスマイルラインは以下のように言われています。
- 上の前歯の先端が下唇に沿う
- 歯ぐきの露出は1〜2ミリ程度
- 歯と歯ぐきのバランスが自然
つまり、笑顔の印象は歯だけでなく、歯ぐきの見え方によっても大きく変わるのです。
歯ぐきが目立つ原因

骨格の影響
上顎の骨が前方または下方に発達している場合、歯ぐきが前に押し出され、笑ったときに大きく見える傾向があります。
歯の大きさや形
歯が小さい、あるいは歯ぐきが長く覆っていると、相対的に歯ぐきの露出が多くなります。
唇の動き
上唇を持ち上げる筋肉(上唇挙筋)が強い場合、笑うと唇が上に大きく引き上げられ、歯ぐきが広く露出します。
歯周病や歯肉の腫れ
歯周病や炎症によって歯ぐきが腫れていると、通常よりも歯ぐきが強調されて見えます。
ガミースマイルの原因別比較表

原因 | 特徴 | 放置リスク |
骨格 | 上顎が前方・下方に発達。歯列矯正や外科処置が必要 | 見た目のコンプレックス持続 |
歯の大きさ | 歯が小さい、歯肉が覆っている | 歯周病リスクや清掃不良につながる |
唇の動き | 上唇挙筋が強く、笑うと大きく持ち上がる | 自然な笑顔が出しにくい |
歯周病・腫れ | 歯ぐきが赤く腫れて露出が強調される | 病気が進行し歯を失う可能性 |
改善方法はあるのか?

結論として、原因に合わせた治療法が存在します。
最新の歯科・美容医療では複数のアプローチが可能です。
歯科的アプローチ
歯肉整形(ガムリフト)
レーザーやメスで歯肉を切除し、歯の見える部分を大きくする方法です。
比較的軽度のガミースマイルに有効で、短期間で改善できます。
矯正治療
上顎前突や噛み合わせが原因の場合は、歯列矯正で骨格と歯の位置を調整します。
インビザラインなどマウスピース矯正でも対応可能なケースがあります。
セラミック治療
歯が小さいことが原因の場合、セラミッククラウンやラミネートベニアで歯を大きく見せることで歯ぐきの露出を減らします。
美容医療的アプローチ
ボトックス注射
上唇を持ち上げる筋肉にボトックスを注射し、笑ったときの上唇の動きを抑える方法です。
施術は数分で終わり、効果は3〜6か月持続します。
外科手術(ルフェルドI型骨切り術など)
重度の場合、外科的に上顎の骨を切り、位置を調整する手術も行われます。
入院や長期的なリカバリーが必要ですが、根本的な改善が可能です。
治療方法の比較

方法 | メリット | デメリット・注意点 |
歯肉整形 | 短期間で効果実感。審美性が高まる。 | 切除量が多いと知覚過敏のリスク |
矯正治療 | 噛み合わせ改善も同時に可能。根本的な解決。 | 治療期間が長い(1〜2年) |
セラミック治療 | 歯の大きさ・形も調整可能。短期間で改善。 | 健康な歯を削る必要がある |
ボトックス注射 | 手軽でダウンタイムが少ない。効果が自然。 | 効果は一時的(数か月ごとに継続必要) |
外科手術 | 重度でも根本的な改善が可能。 | 費用・負担が大きい |
自宅でできる工夫はある?
歯科や美容医療での治療が理想ですが、自宅でできる工夫もあります。
- 笑うときに意識して唇を下げるトレーニング
- 姿勢を正し、口周りの筋肉の緊張を和らげる
- 口呼吸を改善し、唇の位置を自然に保つ
ただし、根本的な解決には医療的な介入が必要です。
まとめ

- 歯ぐきの露出が3ミリ以上だと「ガミースマイル」とされる
- 原因は骨格・歯の大きさ・唇の動き・歯周病など多岐にわたる
- 改善方法は歯肉整形・矯正・セラミック・ボトックス・外科手術など
- 原因に合わせた治療を選ぶことで自然な笑顔を取り戻せる
- 自宅での工夫は補助的だが、根本改善は専門医の診断が必要
笑顔はその人の印象を大きく左右します。
「歯ぐきが気になる」という悩みは決して珍しくなく、今では多くの改善法が確立されています。
専門医に相談し、自分に合った方法で自信の持てる笑顔を取り戻してみてはいかがでしょうか。