鏡を見たとき、歯ぐきが黒ずんで見えて「これって病気?」と不安になったことはありませんか?
歯ぐきの色は単なる見た目の問題ではなく、身体の状態や生活習慣、さらには歯の周囲の健康状態を反映していることがあります。
歯ぐきが黒いのには実は複数の原因があり、
- 病気ではない自然な黒ずみ
- 治療が必要になる黒ずみ
の両方が存在します。
とくに メラニンによる黒ずみは自然なもので問題なし。
一方で、歯周病や金属沈着による黒ずみは対策が必要で、早期発見によって改善しやすくなります。
この記事では、歯ぐきの黒ずみの原因を、見た目の特徴からセルフチェック方法まで詳しく解説します。
歯ぐきの色はどうやって決まる?

まず、歯ぐきの色は次の3要素によって決まります。
血液の量や血流
炎症が起きると血流が増えて赤くなり、血流が滞ると暗い色になります。
メラニン色素の量
肌と同じように、紫外線や刺激が加わるとメラニンが増えることがあります。
歯ぐきの厚みや透明度
薄い歯ぐきは内部の血管が見えやすく赤みが強く、厚い場合は黒っぽく見えることもあります。
これらの組み合わせによって、黒・赤・ピンク・紫などさまざまな色味が生まれます。
歯ぐきが黒い理由その1

メラニン色素による自然な黒ずみ
最も一般的で、ほとんどが 健康上問題のない黒ずみ です。
メラニンは体を守るために生成される色素で、以下のような場合に増えやすくなります。
- 日常的な紫外線刺激
- 喫煙(タール刺激でメラノサイトが活性化)
- 歯磨きの摩擦刺激
- ホルモンバランスの変動
- 遺伝的要素
特徴:
- 歯ぐき全体が均一に黒い
- 境界が滑らかで自然
- 腫れや痛み、出血はない
- 特定の歯だけでなく広範囲に出る
メラニンは完全に害がないため治療は不要ですが、
審美目的でレーザーやピーリングで除去することができます。
レーザー治療は短時間で痛みも少なく、1週間ほどでピンク色の歯ぐきになるため人気の治療です。
歯ぐきが黒い理由その2

金属が歯ぐきに沈着するメタルタトゥー
銀歯や金属の土台(メタルコア)によって歯ぐきが黒く見える現象です。
金属イオンが歯ぐきに染み込むことで黒い影のように見えるため、
一部だけ黒くなることが多いのが特徴です。
特徴:
- 点状の黒ずみがある
- 被せ物の周囲だけ黒っぽい
- 色は自然ではなくグレーっぽい
- 症状はないが見た目が気になる
メタルタトゥーは自然には消えませんが、
レーザー治療か、該当する金属の詰め物を交換することで改善できます。
セラミックに交換すると再発も防げます。
歯ぐきが黒い理由その3

歯周病による炎症・血流障害
歯周病は静かに進行する病気で、症状が進んで初めて自覚することも多いです。
炎症が続くと血流が悪くなり、歯ぐきが 赤黒くくすんだ色 になることがあります。
これはメラニン沈着とは異なり、明らかに「健康を損なった色」です。
症状:
- 歯ぐきが赤黒い、紫がかっている
- 出血しやすい
- ブヨブヨして弾力がない
- 口臭が強い
- 歯がぐらぐらしてくる
色の変化は身体が発する重要なサイン。
この場合、放置すると歯を失うリスクが高まります。
歯周治療を始めると炎症が引き、色がピンクに近づいていきます。
歯ぐきが黒い理由その4

歯の根のトラブルや感染による黒変
重度の炎症や膿がたまった状態では、
歯ぐきが黒色または濃い紫色に変化することがあります。
特徴:
- 押すと痛い
- 噛むと強い痛み
- 白いできものが出る(フィステル)
- 局所的に色が変わる
- 急に腫れることもある
これは根尖性歯周炎や根の感染が疑われ、
放置すると顔全体にまで炎症が広がる危険があります。
早期の根管治療が必要です。
歯ぐきの黒ずみの原因を比較表で確認

| 原因 | 見た目の特徴 | 痛み | 危険度 | 放置 |
| メラニン色素 | 均一な黒さ、自然な境界 | ない | 低い | 可(気になる場合のみ治療) |
| メタルタトゥー | 部分的な点状の黒ずみ | ない | 低い | 見た目の問題のみ |
| 歯周病 | 赤黒い、腫れあり | 軽度 | 高い | 不可(治療必須) |
| 感染・膿 | 黒紫色、痛みあり | 強い | 非常に高い | 危険(すぐ受診) |
「色」によって健康状態が読み取れることがよくわかります。
歯ぐきが黒いときのセルフチェック方法

自分で原因を推測するためのポイントを紹介します。
黒ずみは左右対称か?
左右対称 → メラニンの可能性大
片側のみ → 病気や金属の影響の可能性
痛みや出血があるか?
痛みなし → メラニンまたはメタルタトゥー
痛みや腫れあり → 歯周病や感染を疑う
被せ物や銀歯が入っているか?
入っている → メタルタトゥーの可能性が高い
黒ずみの形は?
均一 → メラニン
点状 → 金属
赤黒い、紫 → 炎症または血流障害
歯ぐきの黒ずみを改善する方法

メラニン沈着に有効な治療
- レーザーによるメラニン除去
- 薬剤を使ったピーリング
どちらも数十分で終わり、ダウンタイムが少ないのが特徴です。
人前に立つ職業の方やブライダル前の方に人気の施術です。
金属による黒ずみの改善
- 被せ物の交換(セラミック推奨)
- メタルタトゥーをレーザーで除去
金属を含まない素材に変えることで再発を防止できます。
歯周病の場合の治療
- 歯石除去
- 歯周ポケットの洗浄
- ブラッシング指導
- 必要に応じて歯周外科治療
早期治療ほど健康なピンク色に戻りやすくなります。
感染由来の黒ずみの治療
- 根管治療
- 膿の排出
- 抗生剤の投与(必要な場合)
放置すると全身に影響が出ることもあり、緊急性が高い症状です。
歯ぐきの黒ずみを予防するには
自然由来の黒ずみは防ぎにくいですが、
炎症や金属による黒ずみは予防可能です。
- 歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨く
- フロスや歯間ブラシを使う
- 喫煙を控える
- 金属の少ない治療を選ぶ
- 口呼吸を改善して歯ぐきの乾燥を防ぐ
- 定期的な歯科検診を受ける
習慣を少し変えるだけで歯ぐきの色は大きく変わります。
まとめ:歯ぐきの黒ずみは原因によって意味が大きく異なる

- メラニンは自然で健康上の問題なし
- 金属沈着は見た目の問題だが治療可能
- 歯周病や感染による黒ずみは危険なサイン
- 見た目が似ていても原因が全く異なるのがポイント
- 不安なときは歯科を受診すればすぐ判別できる
歯ぐきの色は口の中の健康を映す鏡です。
気づいたときこそ最も改善しやすいタイミング。
少しでも不安があれば、早めにチェックしてもらいましょう。