「11月8日はいい歯の日って聞いたことあるけれど、どんな日?」
「8020運動の意味も知りたい」
上記のように感じたことはありませんか?
いい歯の日は、日本歯科医師会が制定した記念日です。
今回はいい歯の日の意味や作られた背景と目的、8020運動の概要を詳しく解説します。
健康な歯を守るための習慣についても紹介するので、いつまでも自分の歯で美味しく食事ができるように、ぜひ最後までご覧くださいね。
いい歯の日とは?

11月8日はいい歯の日。日本歯科医師会が、「11(いい)・8(は)」という語呂合わせにちなんで制定した記念日です。
この日は、歯の健康を守る大切さをあらためて考えるきっかけとして、多くの歯科医院や自治体でイベントやキャンペーンが行われています。
最近では、SNSなどでも「#いい歯の日」というハッシュタグが広がり、家族や友人と一緒に歯のケアを見直すきっかけが増えてきました。
歯は見た目の印象を左右するだけでなく、全身の健康とも深く関係しています。
よく噛むことで脳が活性化し、消化を助け、栄養の吸収もスムーズになるのです。
一方で、歯を失うと食べられるものが限られ、体の健康や生活の質にも影響が出てしまいます。
「いい歯の日」は、そんな歯の大切さを思い出し、未来の自分の健康を守る第一歩を踏み出す日でもあるのです。
参考:いい歯の日(11月8日)
いい歯の日が作られた背景と目的

かつての日本では、年齢を重ねるにつれて歯を失う人が増えたため、日本歯科医師会は「いい歯の日」を制定しました。
ここからは、制定の背景と具体的な目的について紹介します。
歯を失うことによる健康への影響
当時は、虫歯や歯周病が原因で中高年以降に歯を失い、入れ歯に頼るケースが一般的でした。
歯が減ると食事をしっかり噛めなくなり、栄養が偏ったり、食事そのものを楽しめなくなったりします。
その結果、体の健康に影響が及び、生活の質(QOL)が低下することが課題でした。
いい歯の日の目的と取り組み
いい歯の日は、歯の健康の大切さを広く知ってもらうことを目的に、1993年に制定されました。
「痛くなってから行く歯医者」ではなく、「健康を守るために通う歯医者」という意識を広げることが狙いです。
現在では全国の歯科医院や地域で、無料相談やブラッシング指導、子ども向けの歯の健康イベントなどが行われ、予防歯科への関心も徐々に高まっています。
8020運動とは?

「いい歯の日」と深く関わりがあるのが、「8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動」です。
この運動は、「80歳になっても20本以上、自分の歯を保とう」という目標を掲げた国の取り組みです。
1989年に厚生省(当時)と日本歯科医師会によって提唱されました。
人は28本(親知らずを含めると32本)の歯を持っていますが、そのうち20本以上の歯が残っていれば、ほとんどの食べ物を自分の歯でしっかり噛むことができます。
噛む力が保たれることで食事を楽しむだけでなく、脳の働きを活発にし、全身の健康を支えることにもつながります。
8020運動が始まった当初は、目標を達成できる人はわずかでした。
しかし、歯科医療の進歩や定期検診の普及、歯みがき意識の向上によって、近年では多くの人が80歳を迎えても自分の歯を維持できるようになっています。
実際に、厚生労働省の調査では8020達成者が年々増加しており、歯を守る意識が社会全体に広がっていることがわかります。
そして、この運動の本質は、単に「歯を残す」ことではなく、「自分の歯で、最後まで人生を楽しむ」という願いにあります。
「いい歯の日」は、その想いをあらためて思い出す大切な日でもあるのです。
参考:「8020(ハチマルニイマル)運動」とは?|8020運動|啓発活動
健康な歯を守るための習慣とは

健康な歯を保つためには、毎日の生活の中で取り入れられる習慣が大切です。
特別なことをする必要はなく、少し意識を変えるだけで歯の寿命を大きく延ばすことができます。
ここからは、今日から実践できる具体的な習慣を紹介します。
定期的な歯科検診
健康は歯を守るためには、定期的な歯科検診が欠かせません。
痛みがなくても、3〜6か月に一度は歯医者さんで検診を受けてみましょう。
虫歯や歯周病は、初期のうちは自覚症状がほとんどありません。
定期的にチェックすることで早い段階で治療ができ、大きなトラブルを防ぐことができます。
結果的に、自分の歯を長く守ることにつながるのです。
正しいブラッシング
日々の正しいブラッシングも、健康な歯を守るために大切なことです。
歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に軽く当て、力を入れすぎず小刻みに動かすのが基本です。
また、歯ブラシだけでは歯間部などの落としきれない汚れも多いため、デンタルフロスや歯間ブラシの使用も大切です。
毎日のブラッシングが、8020達成の土台になります。
食生活も歯の健康に直結
食生活も、歯の健康に直結します。
砂糖の摂りすぎは虫歯の大きな原因です。
間食の回数を減らしたり、甘い飲み物を控えたりするだけでも、歯への負担を軽くできます。
さらに、カルシウムやビタミンDなど、歯や骨を強くする栄養素を意識して摂ることも大切です。
禁煙とストレスケア
健康な歯を守るためには、禁煙やストレスケアも大切です。
タバコは歯ぐきの血流を悪くし、歯周病を進行させます。
また、ストレスが続くと無意識の食いしばりや歯ぎしりが起き、歯に大きな負担をかけることもあるのです。
生活習慣の見直しも、健康な歯を保つ大切な一歩です。
高齢になっても自分の歯で食べるために

年齢を重ねても、自分の歯でしっかり食べられることは、健康で豊かな生活を送るための大きな要素です。
歯の本数や噛む力は、体の健康だけでなく、日々の食事の楽しみや会話の喜びにも直結します。
ここからは高齢になっても自分の歯を守り、人生をより楽しむために知っておきたいポイントを紹介します。
自分の歯で噛むことの大切さ
年齢を重ねても自分の歯でしっかり噛めることは、食事を楽しむうえで欠かせません。
自分の歯で噛むことで、味をしっかり感じられ、栄養の吸収も良くなります。
また、噛む刺激は脳を活性化させ、認知症の予防にもつながるといわれています。
「義歯」では得られない噛む力と満足感
入れ歯やインプラントなどの補助的な方法もありますが、やはり自分の歯で噛む感覚は格別です。
食事の喜びや会話の楽しさ、笑顔の美しさも、自分の歯があってこそ保たれます。
だからこそ、1本1本の歯を大切にし、できるだけ長く残すことが重要です。
8020はゴールではなく、人生を楽しむための目標
「80歳で20本の歯を残す」という目標は、単に数字の話ではありません。
それは「自分らしく、生き生きとした毎日を送るための指標」でもあります。
いい歯を保つことは健康寿命を延ばし、人生を豊かにすることにつながります。
まとめ:11月8日のいい歯の日をきっかけに、8020を目指そう

11月8日の「いい歯の日」は、今ある歯の大切さを思い出し、これからの健康を考えるきっかけを作るために制定されました。
毎日のブラッシングや食生活の見直し、歯科での定期検診といった小さな習慣が、将来の自分の笑顔を守る第一歩になります。
歯は一度失うと元には戻りません。
だからこそ、今日から丁寧にケアし、歯の1本1本を大切にしていくことが大切です。
いい歯を保つことは、いい人生を送ることです。
この「いい歯の日」をきっかけに、家族みんなで8020を目指してみましょう。