歯周病のサインを見逃すな!セルフチェックと治療法

歯周病のサインを見逃すな!セルフチェックと治療法

この記事を読むのにかかる時間: 2

「歯ぐきから出血するのはよくあること」と思っていませんか?それ、実は歯周病の始まりかもしれません。日本では成人の約8割が何らかの歯周病を抱えているとされており(厚生労働省調べ)、初期症状が見逃されがちなため、気づいたときには重度になっているケースも少なくありません。

本記事では、歯周病のサインを見極めるセルフチェック法から、最新の治療法までをわかりやすく解説します。


歯周病とは?

歯周病とは、歯を支える組織(歯ぐきや歯槽骨など)が炎症を起こし、最終的には歯が抜け落ちてしまう疾患です。進行度により「歯肉炎」「軽度歯周炎」「中等度歯周炎」「重度歯周炎」に分類されます。

主な原因

  • 歯垢(プラーク)や歯石に含まれる細菌
  • 不十分な歯磨き
  • 喫煙やストレス
  • 糖尿病などの全身疾患

歯周病セルフチェック項目

次のチェックリストで、現在の歯ぐきの状態を確認してみましょう。2つ以上当てはまる場合は、歯科医院の受診をおすすめします。

チェック項目判定のポイント
朝起きたときに口の中がネバつく唾液中の細菌繁殖が原因
歯磨き時に歯ぐきから血が出る歯肉に炎症が起きている可能性
歯ぐきが赤く腫れている健康な歯ぐきは薄いピンク色
歯が長く見えるようになった歯ぐきが下がっている証拠
歯がグラグラする歯槽骨の吸収が進行しているかも
口臭が気になる歯周病特有のにおいの可能性あり

歯周病の進行と症状の違い

段階症状主な治療法
歯肉炎歯ぐきの腫れ・出血プラークコントロール・歯石除去
軽度歯周炎歯ぐきの後退・口臭スケーリング・ブラッシング指導
中等度歯周炎歯の動揺・歯槽骨の吸収ルートプレーニング・歯周ポケットの洗浄
重度歯周炎歯がグラグラ・噛めない歯周外科・抜歯・再生治療

早期発見がカギ。歯肉炎の段階なら、正しいブラッシングと歯石除去でほぼ回復が可能です。


歯周病治療の具体的な方法

1. プロフェッショナルケア

  • スケーリング(歯石除去):目に見える歯石を取り除く
  • ルートプレーニング:歯の根の表面を滑らかにし、細菌の再付着を防止
  • PMTC(プロによる清掃):専用機器で磨き上げ、バイオフィルムを除去

2. 歯周外科治療

  • フラップ手術:歯ぐきを切開して深い歯周ポケットを清掃
  • 骨再生療法(GTR法など):失った歯槽骨の回復を促す先進的治療法

3. 補助的な治療法

  • 抗生物質の局所投与:炎症部分に直接作用
  • レーザー治療:細菌の除去・止血効果があり、痛みが少ない
  • ナイトガードの使用:歯ぎしりによる歯周組織への負担軽減

自宅でできる予防・対策法

日々のケアで歯周病の進行を防ぐことが可能です。

基本のセルフケア

  • 毎日の正しい歯磨き(特に歯と歯ぐきの境目)
  • フロス・歯間ブラシの活用
  • フッ素や抗菌成分配合の歯磨き粉使用

生活習慣の見直し

  • 糖質の多い飲食の頻度を減らす
  • 喫煙を控える(歯ぐきの血流改善に重要)
  • ストレスを溜めない

歯周病と全身の健康との関係

近年、歯周病とさまざまな全身疾患との関連が報告されています。

関連疾患影響
糖尿病炎症が血糖コントロールを悪化させる
心疾患血管内に歯周病菌が侵入し動脈硬化を助長
早産・低体重児出産妊娠中の歯周病リスクが高いと報告

歯ぐきの健康を保つことが、全身の健康にもつながります。


まとめ:早期発見と継続ケアが歯を守るカギ

  • 歯周病は静かに進行する“サイレントディジーズ”
  • 自覚症状が少ない初期に対処することが最も重要
  • セルフチェックと定期的な歯科受診で予防が可能

「たかが歯ぐきの出血」と軽視せず、日常の小さなサインを見逃さないことが、あなたの歯と健康を守る第一歩です。

あわせて読みたい

食後すぐの歯磨き、実は逆効果になるケースとは?
コラム

食後すぐの歯磨き、実は逆効果になるケースとは?

ケア 歯の健康 歯磨き
口の中がネバつく…その原因と改善法を解説
コラム

口の中がネバつく…その原因と改善法を解説

ケア ドライマウス 歯の健康 歯周病
歯磨きのしすぎが招くトラブルとは?
コラム

歯磨きのしすぎが招くトラブルとは?

ケア 歯の健康 歯磨き
歯ブラシだけでは落ちない汚れがある?プロの清掃の重要性
コラム

歯ブラシだけでは落ちない汚れがある?プロの清掃の重要性

ケア 歯の健康 歯磨き