虫歯の治療といえば「銀歯」。一昔前までは当たり前のように使用されていました。しかし、最近では「銀歯＝古い治療」との印象を持つ人が増えてきています。見た目の問題だけでなく、機能面・健康面でも注目されている新しい歯科素材。今回は、銀歯と新素材の違いを徹底比較しながら、今選ばれている最新の詰め物・被せ物についてわかりやすく解説します。

銀歯とは？改めて確認しておきたい特徴

日本の保険診療で長年使用されている「銀歯」は、正式には「金銀パラジウム合金」と呼ばれる金属でできています。硬くて丈夫な反面、いくつかのデメリットも抱えています。

銀歯のメリット

• 保険適用で費用が安い
  
  
• 強度があり、奥歯の噛み合わせに耐えられる
  
  
• 長年の実績がある
  
  

銀歯のデメリット

• 金属色が目立ち、審美性が低い
  
  
• 経年劣化で黒ずむことがある
  
  
• 金属アレルギーを引き起こすことがある
  
  
• 歯茎が黒ずんだり、歯との間に隙間ができやすい
  
  

このように、価格面ではメリットがあるものの、現代のライフスタイルや健康志向にはやや合わなくなってきているのが実情です。

新素材とは？主流になりつつあるセラミック・ジルコニア

銀歯に代わる素材として、現在多くの歯科医院で推奨されているのが「セラミック」や「ジルコニア」などの非金属素材です。これらは見た目が自然で美しく、かつ耐久性にも優れています。

セラミック（陶材）

• 天然歯に近い白さと透明感
  
  
• 変色しにくく、長期間美しさを保てる
  
  
• 金属を使わないため、アレルギーの心配がない
  
  

ジルコニア（人工ダイヤモンドとも呼ばれる素材）

• セラミックよりもさらに強度が高い
  
  
• 歯ぎしりや噛む力が強い人にも適している
  
  
• 審美性と耐久性のバランスが取れている
  
  

銀歯と新素材の違いを比較表でチェック

以下の表に、銀歯・セラミック・ジルコニアの特徴をまとめました。

このように、審美面・健康面を重視する人にとって、セラミックやジルコニアは非常に魅力的な選択肢です。

新素材が選ばれる背景とは？

現代人のニーズが「見た目の美しさ」や「金属フリーの健康志向」にシフトしていることが大きな要因です。特に働き盛りの世代や美容意識の高い方は、口元の印象が仕事や人間関係に影響すると考えるようになっています。

また、インスタグラムやTikTokなど、顔のアップが増えたSNSの浸透も影響しています。「笑ったときに銀歯が見えるのが嫌」という声が多く寄せられるようになり、見た目の自然さが重視される時代になりました。

「見た目」だけじゃない。金属アレルギーのリスクも無視できない

意外と知られていませんが、銀歯の金属成分（パラジウム・ニッケルなど）は体内で金属アレルギーを引き起こす可能性があります。口の中は唾液で常に湿っており、金属イオンが溶け出しやすい環境です。

アレルギー症状は、口腔内だけでなく、手足の湿疹やかゆみなど全身に及ぶことも。症状が出た後に銀歯を除去して、セラミックやジルコニアに変えることで改善されるケースもあります。

銀歯から新素材への交換は可能？

すでに銀歯を入れている方も、新素材への置き換えは可能です。ただし、以下のような注意点があります。

• 銀歯を外してみると、内部で虫歯が再発しているケースも
  
  
• 健康な歯質を極力残すように削る技術が必要
  
  
• 費用は自費診療となるため、歯科医院にて見積もりを取るのがベスト
  
  

信頼できる歯科医師に相談し、丁寧にカウンセリングを受けてから判断するのがおすすめです。

よくある質問（Q&A）

Q. セラミックは割れやすいと聞きましたが？

A. 従来のセラミックは衝撃に弱い面もありましたが、現在では改良が進み、ジルコニアとのハイブリッドや高強度セラミックなども登場しています。日常生活で破損する心配はほとんどありません。

Q. 自費治療は高額ですが、メリットはありますか？

A. 長期的に見て再治療のリスクが減り、審美性や健康面も向上するため、結果的にコストパフォーマンスは高くなります。定期メンテナンスをすれば10年以上使える素材もあります。

まとめ：銀歯はもう時代遅れ？選ぶべきは「ライフスタイルに合う素材」

銀歯は安価で丈夫という利点がありますが、見た目・健康・快適さを重視する現代においては、セラミックやジルコニアといった新素材のほうが適している場面が多くなっています。

素材の選択は単なる「治療」ではなく、「今後の人生をどう過ごしたいか」に関わる重要な選択です。ぜひ、歯科医師と相談しながら、自分にとって最適な治療法を選んでください。